2020年05月投資日記

市場の上昇を疑う3つの理由 CAN-SLIM投資日記【2020/5/8】

投稿日:2020年5月8日 更新日:

皆さんこんにちは。「あずさん」ことAS Windです。

今日はコロナウイルスによる非常事態宣言で在宅勤務中のところ、会社に出勤しました。実は5月中に会社の移転がありまして。。。さすがに荷物整理はリモートでは実施できず。(^-^; やむなく出社となりました。従って今日はあまり市場が見ることができていません。そういう時に限って大きく動くもんですね。。

最近の相場やツイッターの情報を見ているとコロナウイルスの状況は織り込んだというのが大勢を占めてきているようです。昨日も米国の雇用統計でとんでもない失業率が予想されていますが、市場の反応がまったくないことからもそういう捉え方をしている向きもあると思います。

一方で恐怖のアノマリー「セルインメイ」を警戒する声も聞こえてきます。一体どっちに相場は向かうんだ??というところですね。

そんな中で本日の日経平均は500円を越える上昇を見せました。

果たしてこのまま上昇の流れに乗るのかどうか。今日の市場分析はこの辺がポイントになろうかと思います。

私が市場の方向性を判断するために色々ウオッチしていることがあるんですが、その辺には市場平均の数字だけではみえない特徴が見えてきています。

今日はその中で3つの気になるポイントを挙げています。その理由を説明しながら現在の市場の状況を把握していこうと思います。

それでは、本日の分析スタートです!!

各市場チャート分析

CAN-SLIM投資において「M」の要素は市場の流れですが、他の6つの要素が揃っていたとしても市場の流れが悪ければ結果は伴わないとオニールは述べており、ある意味最も重要な要素となります。ここではNYダウも含めて主だった市場の流れについてオニールの分析手法を用いて日々分析して市場の流れを把握していきます。

市場の具体的な分析方法については以下の記事を参照してください。

NYダウチャート分析

昨晩のNYダウは上昇。朝方は小高いところから始まり午前中は上昇しましたが、午後はズルズルと下げて引けています。出来高はやや下落。陽線ですが上ヒゲが伸びた形です。引き続き上昇は抑えられた形になっています。

ここから上昇に向かうためには、現在できているベースを出来高を伴って大きく窓開けしてブレイクするような流れが必要ですがその流れに至っていません。ジリジリと高値をつけるような(しかも出来高は低い)動きはオニールが言う「だまし上げ」の疑いを払拭することのできない流れです。

これはNYダウに限らず世界市場全体に言えることです。私が上昇の流れを疑っている理由の一つとしてまずはこの状況が挙げられます。

引き続きNYダウの動きに注目しています。

日経平均チャート分析

本日は上昇。朝方から高く始まり前場は20,000円を挟んでの攻防、後場は上に抜けて上昇し高値で引けています。出来高はやや増加。

出来高は上昇してこないものの、高値引けとなり天井近くまで上昇しました。上昇幅も500円を越えてきてて勢いがあるように見えます。が、以前日記に「最近の上昇を主導してきた銘柄にピークアウトの動きがある」と書いたのですが、そこで紹介した銘柄が本日ことごとくマイナスになっているのが気になっています。

-3.56%のエムスリー【2413】、-1.24%の中外製薬【4519】、-3.90%の任天堂【7974】などです。今現在空売りしている神戸物産【3038】も主導銘柄でしたが-0.19%で引けています。

オニールの考えでは、相場の本格的な上昇は主導株が市場に先行して上昇するとしています。上昇をリードした主導株が下落する今の状態は天井をつけて「売り抜け」を示す兆候として捉えられるのです。

これが上昇を疑う理由の2つ目です。

TOPIXチャート分析

本日は上昇。日経平均とほぼ同じ動きとなりました。

12時時点の騰落数は、上げ1,520:下げ567:不変84。

主要な上昇銘柄としては+15.40%のファンケル【4921】、+14.21%のスシローGHD【3563】、+9.80%のアウトソーシング【2427】、+8.25%の住友商事【8053】などです。決算思惑や材料株に需要が集まっています。

最近の日経平均とTOPIXには上昇に乖離が見られます。

リバウンドから最初の天井を付けた後の動きですが、日経平均が天井を明確に更新しているのに対してTOPIXは越えられていないんです。

現在執筆中のマーケットの転換期を見つける方法の中でオニールが指摘している点として株価指数の乖離に注目するというものがあります。米国市場においてもNYダウとS&P500の乖離が起きた場合に注意を促しているように、日本においては日経平均とTOPIXの動きの違いに着目することも必要だと思っています。

実は、2018年10月のクリスマスショックの時にも天井付近で同様の動きがありました。日経平均よりもTOPIXが弱いということは、日本を代表する225銘柄の動きに対して2,000を越える東証一部銘柄の動きが弱いということを表しています。

つまり市場の勢いが日経平均を基準に考えると危険だよというサインです。

これが上昇を疑う3つ目の理由です。

JASDAQ平均チャート分析

本日は上昇。朝方は小高く始まりましたがその後マイナス圏に下がりました。後場に入って急上昇。そのまま高値で引けています。

12時時点の騰落数は上げ320:下げ260:不変45。

本日は+7.32%のテイツー【7610】が市場の18%を占める出来高、+3.03%のブロードメディア【4347】、-16.10%のリプロセル【4978】、+5.38%のプロルート丸光【8256】もそれぞれ10%前後の出来高を占めており、この4銘柄でJASDAQ市場の出来高を半分近く占めています。出来高上位には100円台より下の銘柄がうじゃうじゃ。。

相変わらずの仕手相場です。穿った見方かもしれませんが、コロナショックで資産の傷ついた大口投資家が損を取り返すために銘柄を変えつつ次々に仕掛けているのでは。。と疑ってしまいます。コロナ前とは相場環境が全く変わってしまったようです。

マザーズ指数チャート分析

本日は下落。朝方は上昇して始まったもののすぐに急落。その後はマイナス圏で上下しながら安値近くで引けています。動きとしてはディストリビューションです。

12時時点の騰落数は上げ144:下げ164:不変13。

今日のアンジェス【4563】は-24.72%で約34%の出来高を占めました。-3.91%のソレイジア・ファーマ【4597】が約16%の出来高を占めています。-5.72%のAiming【3911】、-13.54%のオンコセラピーサイエンス【4564】が合わせて約12%の出来高占拠率。出来高四天王ですね。(^-^;

これらだけで60%強の出来高を占める中で市場は2%しか下げなかったんです。それ以外が良かったということでしょうから、それほど悲観するような状況ではないのかもしれません。いくつかの銘柄の需給で市場が歪んでしまう新興市場の分析は本当に注意したほうがいいですね。。。

今はJASDAQ同様、仕手相場ですからだまって落ち着くのを待とうと思います。

このブログで取り組んでいる市場分析について、詳しく勉強したい方は以下の本を参考にしてみてください。根気よく取り組んでいけば、市場の流れを見極める力が絶対上がると思います。

それ以外にも買いのタイミング、売りのタイミングなど株式投資に必須の知識が網羅されています。この本を完璧にマスターすれば、あなたも投資で必ず成功できると思います。

さらにCAN-SLIM投資を極めたい方はこちらの本でみっちり勉強してみてください。投資で成功するためのエッセンスが詰まっている良書です。

市場動向【価格/出来高】

本日はマザーズが下落。出来高四天王の下落に引っ張られましたが全体的には悪くないと思います。

新興市場はまさにイナゴが群がるかのような異常な出来高の増加を見せています。投機的な動きでは値動きがどうなるか読めません。私は指をくわえて傍観するだけです。(^-^;

5月分 CAN-SLIM投資銘柄実績

買いポジション

本日はノーポジです。。。

売りポジション

ソフトバンクグループ【9984】株価前日比+3.85%

直近90日の日足チャートと出来高は以下の通りです。

本日は上昇。朝方小高く始まりジリジリ上昇。一時下落しましたが再びジリジリ上昇して高値で引けています。出来高は上昇。エントリーの位置が悪すぎて含み損になっていますが天井の位置を考えると市場よりもやや弱い動きと見ています。とはいえ天井を出来高上げて越えるような動きがあれば即損切りですね。

ソニー【6758】株価前日比+2.30%

直近90日の日足チャートと出来高は以下の通りです。

本日は上昇。朝方小高く始まり上昇。その後は横這いの動きとなり最後やや上昇して終了。こちらも天井を出来高増で越えてくると厳しい流れですね。引き続き来週も見ていきます。

神戸物産【3038】株価前日比-0.19%

直近90日の日足チャートと出来高は以下の通りです。

本日は下落。朝方小高く始まりましたがその後は急落。マイナス圏で横這いの動きとなり最後やや上昇して引けました。出来高は減少。市場に対して弱い動きが続いています。引き続き様子を見ていきます。

CAN-SLIM銘柄の買いのタイミング・売りのタイミングをどのように判断しているかについては以下の記事を参考にしてください。

AS Wind流投資手法 株を買うタイミング その1・基本のチャート形状「取っ手付きカップ」

AS Wind流投資手法 売りの戦略と株を売るタイミング

空売りの手法については、「オニールの空売り練習帖」をベースに進めていこうと思いますが、また徐々にブログ記事で紹介していきたいと思います。

ピックアップ銘柄

今後、CAN-SLIM銘柄として投資対象になる可能性のある銘柄のチャートを追っていきます。

オプティム【3694】株価前日比-2.40%

直近30週の週足チャートと出来高は以下の通りです。

本日は下落。朝方は小高く始まりましたがすぐに下落。マイナス圏で横這いの動きで引けています。出来高は下落。引き続き調整の動きが続くのか見ていきます。

売却後の動き

実際の判断(損切り・利益確定)が的確に実行されたかについてその後の動きを一か月を目途に追いかけて検証したいと思います。

チームスピリット【4397】株価前日比+1.40%

直近30週の週足チャートと出来高は以下の通りです。

本日は上昇。朝方から前日終値を挟んで横這いの動き。後場はやや上昇して引けています。出来高は増加。調整の動きが続きます。引き続き様子を見ていきます。

Amazia【4424】株価前日比-2.67%

直近30週の週足チャートと出来高は以下の通りです。

本日は下落。朝方小高く始まりその後急落。ジリジリと戻しましたがマイナスで引けています。出来高は上昇。調整の動きとみてよさそうです。引き続き様子を見ていきます。

チエル【3933】株価前日比-1.20%

直近30週の週足チャートと出来高は以下の通りです。

本日は下落。朝方は前日終値を挟んで動きましたがマイナス圏で横這いの動きとなり最後やや上昇して引けています。出来高は下落。一旦は落ち着いたようです。引き続き様子を見ていきます。

アンビスホールディングス【7071】株価前日比+2.21%

直近30週の週足チャートと出来高は以下の通りです。

本日は上昇。最近のパターンですね。朝方高く始まりズルズルと下落して引けました。出来高は下落。調整の動きが続きます。引き続き様子を見ていきます。

明日の一手

分析の中で書いた通り、主要な市場となる東証一部や米国市場には上昇に対して疑わしい3つの理由が出ているため、まだ上昇相場とは踏み切れないでいます。

一方で新興市場は仕手相場となっており、ウオッチしている個別銘柄は目立たず調整で鳴りを潜めている状況です。ブレイク前夜と言った雰囲気が漂っています。

東証一部と新興市場で相反する状況となっており、今はどちらの状況に転ぶのかという瀬戸際です。

基本的には現在の疑わしい市場の状況を鑑みてショートポジションはキープですが、ウォッチしている個別銘柄にブレイクの動きがみえて、市場が大きく窓開けして上昇するような雰囲気が見えたら、ガラッとポジションチェンジも考えなければいけない局面かなと思います。

来週以降も市場の動きと個別銘柄の動きを逃さないように観察していこうと思います。

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CAN-SLIM投資とは?

CAN-SLIM投資の各要素の考え方については以下の記事を参考にして頂ければと思います。

1.「CAN-SLIM」のC(Current Quarterly Earnings) -直近四半期利益-

2.「CAN-SLIM」のA(Annual Earnings Increases) -年間利益の増加-

3.「CAN-SLIM」のN(New Products,New Management,New Highs) -新製品、新経営者、新高値-

4.「CAN-SLIM」のS(Supply and Demand) -株式の需要と供給-

5.「CAN-SLIM」のL(Leader or Laggard) -主導株か停滞株か-

6.「CAN-SLIM」のI(Institutional Sponsorship) -機関投資家による保有-

7.「CAN-SLIM」のM(Market Direction) -株式市場の方向-

お薦めの本 -このブログの元となる考え方が書かれた株式投資の必勝法です-
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