CAN-SLIM投資法を利用して実際に投資を行なっている事例を紹介します。
今回はGA technologies【3491】です。
CAN-SLIM投資法に関連する注目ワードは強調して表示していますので参考にしてください。
目次
ファンダメンタル分析
AIを活用した中古不動産流通プラットフォームサービス「RENOSY」を展開するGA technologies。ミッションとして「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」を掲げています。私は実務でもプライベートでも不動産に関わったことがありますが、不動産の世界というのは本当にガラパゴスな業界です。昔からの慣例が根強く残っており、いまだにひとり親父が経営している町の不動産屋さんをよく見かけます。GA technologiesはこの世界にITの技術を持ち込んできているのです。
ご存じの方もいると思いますが、不動産投資というものは個人にもかなり浸透してきていると思います。自分で不動産オーナーとなり、賃料収入や売却利益を得るというものです。実は私も15年程前に都内のワンルームマンションを購入し賃料収入を得て物件を売却した経験があります。また、知人が経営する会社が不動産投資をしたいということで、物件探しや契約に立ち会うなどの手伝いをした経験があります。
不動産を購入するには金額が高額なこととレバレッジをかけるためにローンを活用することが通常です。さらには火災保険や地震保険、家財保険などへの加入も考えなくてはいけません。また、賃貸に出すうえでは賃貸人の募集や賃料の徴収、不払いが発生したときの保険、物件修繕などの対応。。。とにかくさまざまな手続きをしなくてはならないのです。
物件購入後の管理業務を専門にした業者もいますが、それなりの利用料をとられます。賃料からローン代、保険代や共益費、管理費等を引いていくと、得られる利益は微々たるもの。。。下手すると赤字。なんていうことは、不動産投資の失敗談によくでてくる話です。
やり方次第では大きな財産を築くことのできる不動産投資ですが、物件に対する目利きには経験が必要ですし、とにかく手続きや管理が煩雑です。これらの一連の流れをテクノロジーで解決する。そして不動産投資がもっと身近で手軽なものだと感じてもらう。これがGA technologiesの目指すところです。
インターネットを活用して不動産物件を紹介するサイトはたくさんありますが、結局最後は従来と同じ手続きをしていく必要があります。全ての手続きをオンラインだけで完結しようとしているのはGA technologiesだけです。
GA technologiesは従来の不動産取引を「賃貸1.0」、インターネットを活用した不動産取引を「賃貸2.0」、それに対してオンラインで全て完結する不動産取引を「賃貸3.0」と呼んでいます。
GA technologiesが提供するサービスは物件探しからローンや保険の契約、不動産管理、最後は売却まで、全てをオンラインで完結させよう。しかも安価で。というものです。不動産に必要な様々な作業をAIや自動化で担うことで、今まで人の経験や勘に頼っていたものを客観性やスピード、手軽さを実現して提供しているのです。手法自体は他の業界でも取り入れられているものですが、こと不動産の世界ではその取組が遅れているので、際立った存在になっています。社員の30%がエンジニアということですが、他の不動産会社ではありえない比率です。この辺に簡単に他の会社では実現できない理由があります。
こうした機能を実現していく上ではM&Aや提携を加速することでスピードアップすることが重要です。GA technologiesは矢継ぎ早に買収、提携をすすめ、オンラインで不動産投資が完結できるスキームを構築していっています。
IRより一部抜粋して以下に紹介します。
オンライン完結型の住宅ローンのプラットフォーム構築を目指し、SBJ銀行と業務提携を締結。
リーガル賃貸保証株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ
イタンジ株式会社の株式の取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ
MFSの不動産投資家向け「バウチャー(借入可能額証明書)発行サービス」と連携
残念ながら私は物件を売却してしまったので、サービスを体験するには至りませんでしたが、次に不動産投資をするときには、ぜひ使いたいと思いますし、業界のスタンダードになっていることと思います。
不動産業界は日本の人口減問題もあり、オリンピックを頂点にして市場が冷え込むという考え方を持っている方も多いと思いますが、外国人労働者の受け入れやインバウンド需要の増加、一人世帯や高齢者世帯の増加など、ニーズは減ることはなく、ますます複雑になってきます。今までの不動産業の在り方ではこういったニーズはくみ取れないと思います。
GA technologiesは「不動産業界のamazon」を目指しているそうです。古い体質の不動産業界の在り方を根本から変えてくれると期待しています。
業績について以下にまとめました。わかりやすくするため決算予想数値として発表されている最終年度の数字を100%として、年度ごとの割合を表示しています。
売上・利益とも右肩上がりです。売り上げも利益も年率40%程度の成長を維持。18年度は大きく伸びていますが、買収などの効果が発現しています。会員数も順調に増加しており、今後も活発に提携やM&Aを実施していくと成長は飛躍的に加速すると考えています。
ファンダメンタル要素についてはROEが28.80%、ROAが9.00%です。時価総額は304億円とまだまだ低い状況。今後も十分成長していく余力があると考えます。
チャート分析【2018/7/23-2019/6/28】
チャートですが、流れに沿って解説します。
- 2018年7月に上場してから株価は上昇しましたが、当時株主だったTATERUが不祥事を起こしたあおりを受けて株価は下落基調となりました。そのまま10月まで下落して底をつけたあと反転しました。
- 18年12月に戻り高値を付けますが、その後クリスマスショックで下落し、ベース形成期間に入りました。
- ベース形成期間にはWボトムを形成しています。その後、株価の動きも出来高も低い調整期間が続いていました。
- 5月下旬より上昇基調となり、6月に入ってから出来高を伴ってピボットポイントをブレイクしてきました。ブレイクの幅が大きすぎたため、ここでの投資は見送りました。
- ブレイク後は調整の動きとなっており、ここ最近はピボットポイントまで株価が下落してきたため、3,600円近辺でインしています。
レラティブストレングスの検討
株価が市場に対してどれだけ強い動きを見せているかをレラティブストレングスと定義しています。ここでは1年前(上場して1年未満の場合は上場時)の株価を0としてそこからの変化率を算出してグラフにしています。同様に算出した上場されている市場の指標と比較する事で選択した銘柄が市場のパフォーマンスより強い動きを見せているかどうかを確認します。
GA technologiesはそれほど市場と連動した動きにはなっていません。2019年3月からは上昇トレンドを継続しています。このまま市場よりも強いパワーを保っていけるかについて、注意しながら見ていきたいと思います。
信用買残・売残と株価の関係について
GA technologiesの賃借倍率は4.6倍程度なので、売り残についても影響は考慮するべきかと思います。
GA technologiesは当初の下落局面で割安と考えた買いが入っていたようですが、株価は上昇せずに返済期限を迎えたタイミングで買い残が急激に減っています。ここでまとまった買いが入ったようです。株価は上昇しています。一時的に売り残も増えてますが、株価の急激な上昇を抑えていた可能性もあります。大口の介入を疑いたくなる展開です。現在の株価は調整に入っていますが、最後の振い落とし局面かもしれません。
今回は以上の考え方でGA technologiesへの投資を実施したいと思います。ブレイク後の振い落とし局面ですので、下がったところでは拾っていきたいと考えています。
予想に反して下落した場合は、8%で損切りする予定です。
CAN-SLIM投資とは?
CAN-SLIM投資の各要素の考え方については以下の記事を参考にして頂ければと思います。
1.「CAN-SLIM」のC(Current Quarterly Earnings) -直近四半期利益-
2.「CAN-SLIM」のA(Annual Earnings Increases) -年間利益の増加-
3.「CAN-SLIM」のN(New Products,New Management,New Highs) -新製品、新経営者、新高値-
4.「CAN-SLIM」のS(Supply and Demand) -株式の需要と供給-
5.「CAN-SLIM」のL(Leader or Laggard) -主導株か停滞株か-