CAN-SLIM投資法を利用して実際に投資を行なっている事例を紹介します。
今回はマネジメントソリューションズ【7033】です。
CAN-SLIM投資法に関連する注目ワードは強調して表示していますので参考にしてください。
目次
ファンダメンタル分析
プロジェクトマネジメントの実行支援が柱のコンサルティング事業を展開するマネジメントソリューションズ。この「プロジェクトマネジメントの実行支援」という事業、なかなか想像しづらいビジネスかなと思います。ある意味、それだけニッチな世界だということがいえます。
会社では業務を進める中で、通常業務とは別の仕事、どんなものかというと業務改善をしたり、新たなビジネスを発掘したりする業務というものが必ず発生すると思います。こういったものは大抵、○○プロジェクト、○○タスクフォース、などとかっこいい名前がついている訳ですが、だいたいの人は通常業務とかけもち、言うなれば片手間で実行している状態です。従って進捗がなかなかはかどらない、効果もいまいち感じられない。こんな状態が発生しやすいと思います。
ある意味こういった社内プロジェクトは、プロジェクト長を頂点とした一つの会社として考えることもできます。予算と人員を持ち、結果を出すことが求められるわけです。マネジメントソリューションズは、こういったプロジェクト運営業務をサポートすることで、形骸的になりがちなプロジェクト業務の実効性を高めて会社の業績拡大に貢献する。というビジネスを展開しています。
コンサルティングというと、経営者の意向を受けて経営戦略やビジネスモデルを構築するようなイメージがありますが、マネジメントソリューションズは現場に密着した、実効性を伴ったコンサルティング。というところが、今までのコンサルティングファームとは一線を画するビジネスモデルといえます。そのため、マネジメントソリューションズは自分たちのビジネスを「コンサルティング業界のサードウェーブ」と位置付けています。
この実行支援型のコンサルティング事業ですが、規模の小さい会社や小さなプロジェクトにとっては対コスト効果でみると意味のないものといえます。なので、クライアントは成果を求められる大規模プロジェクトを扱う大企業が中心となります。実際にクライアント一覧をみると名だたる大企業が名を連ねています。特に昨今は企業変革のスピードが求められており、大企業にとってはプロジェクトを成功に導くことが企業成長に直結するというニーズがあり、そこにマッチしているのだと思います。また、純粋にプロジェクト支援をビジネスとしている会社は他になく、成果も相まってリピート率が非常に高いというのがマネジメントソリューションズの強みと言えます。
現在は国内中心ではありますが、海外への進出も進めています。コンサルティングの本場、アメリカへも進出を進めましたが、撤退しています。現在は中国市場への展開を進めています。レッドオーシャンで後発となるアメリカよりも、これから発展してきて、日本をリスペクトしている東南アジアへの展開のほうが将来性があると思いますので、この点はむしろよい方向になったと思っています。
基本的な収入は業務委託の形です。一定期間、専門的な人材を派遣することで定額の手数料をとるビジネスです。必然的に人を増やす、もしくは複数のプロジェクトを並行して掛け持ちしないと売上、利益は伸びてきません。この点はビジネスの成長スピードに影響を与えますが、最近は自身で開発したプロジェクト支援のノウハウ自体を販売するというビジネスも開始しました。
マネジメントソリューションズではPM支援業務の潜在的市場規模を1,400億円と推定しています。これはIT系コンサルティングの市場規模をベースに算出しているようですが、それほど過大に見積もった規模でもないようです。現在の売上規模は30億円ですから成長余力は十分あると考えられます。
現在のプロジェクト支援業務自体がニッチで専門性の高いビジネスであること、今後、AI化等の自動化を進めることで人的財産に頼らず、より成長スピードを上げていくことができること。などを考えると今後も非常に成長性の高いビジネスだと考えています。
業績について以下にまとめました。わかりやすくするため決算予想数値として発表されている最終年度の数字を100%として、年度ごとの割合を表示しています。
売上・利益とも右肩上がりです。売り上げはほぼ年率20%以上の成長を維持。一株利益については、17年度はアメリカからの撤退に伴う損失計上などの影響でマイナス成長となっていますが、その後は順調に業績を伸ばしています。
ファンダメンタル要素についてはROEが26.90%、ROAが10.70%です。時価総額は115億円とまだまだ低い状況。今後も十分成長していく余力があると考えます。
チャート分析【2018/7/23-2019/6/28】
チャートですが、流れに沿って解説します。
- 2018年7月に上場して一時は利益確定の流れでしたが、18年12月から上昇トレンドとなりました。
- 19年3月中旬には上場来高値をピークをつけて株価は調整局面に入りました。このタイミングで1:3の株式分割を行っています。
- 調整期間中にCAN-SLIM銘柄の特徴である、Wボトムを形成しています。
- 上方修正の決算発表をきっかけに株価は一気にピボットポイントをブレイクしています。ブレイクの幅が大きすぎたため、ここでの投資は見送りました。
- 先週、ピボットポイントまで株価が下落してきたため、2,100円近辺でインしています。
レラティブストレングスの検討
株価が市場に対してどれだけ強い動きを見せているかをレラティブストレングスと定義しています。ここでは1年前(上場して1年未満の場合は上場時)の株価を0としてそこからの変化率を算出してグラフにしています。同様に算出した上場されている市場の指標と比較する事で選択した銘柄が市場のパフォーマンスより強い動きを見せているかどうかを確認します。
市場と歩調を合わせる形で上昇および調整期間を迎えていましたが、先日の決算発表をきっかけに株価は強い動きを見せています。このまま市場よりも強いパワーを保っていけるかについては注意しながら見ていきたいと思います。
信用買残と株価の関係について
今回は売残がほとんどないため割愛しています。
マネジメントソリューションズは上場時が最も買い残が多い状態で、それ以降は下降していっています。調整局面に入ったところで買い残は微増の流れとなっていますが、ピーク時の半分以下になっています。まだまだ信用残高は高い状況とはいえません。
今回は以上の考え方でマネジメントソリューションズへの投資を実施したいと思います。ブレイク後の調整局面での投資ですので、ここから大幅に下がることはないと考えています。
予想に反して下落した場合は、8%で損切りする予定です。
CAN-SLIM投資とは?
CAN-SLIM投資の各要素の考え方については以下の記事を参考にして頂ければと思います。
1.「CAN-SLIM」のC(Current Quarterly Earnings) -直近四半期利益-
2.「CAN-SLIM」のA(Annual Earnings Increases) -年間利益の増加-
3.「CAN-SLIM」のN(New Products,New Management,New Highs) -新製品、新経営者、新高値-
4.「CAN-SLIM」のS(Supply and Demand) -株式の需要と供給-
5.「CAN-SLIM」のL(Leader or Laggard) -主導株か停滞株か-