CAN-SLIM投資法を利用して実際に投資を行なっている事例を紹介します。
今回は総医研ホールディングス【2385】です。
CAN-SLIM投資法に関連する注目ワードは強調して表示していますので参考にしてください。
目次
ファンダメンタル分析
抗疲労食品・飲料の直販と、化粧品が収益の柱となっている総医研ホールディングス。最近は越境ECでの化粧品販売で業績を伸ばしています。先日紹介した北の達人コーポレーションもそうですが、化粧品セクターはオリンピックや万博などによるインバウンド需要の増加をきっかけに越境EC等を活用して業績を大幅に伸ばす可能性が高いと考えております。
今年2月に新華網が伝えるところによると、上海税関の統計において日本から輸入された美容・化粧品・コスメは前年比98.4%増で、日本から輸入された主な商品の中でトップだったということです。また、中国国務院より大幅な関税引き下げの通達があり、昨年の7月1日から化粧品は8.4%→2.9%に引き下げられています。中国人の生活水準はますます高度化しており、中国政府もその流れを加速させる方向であり、市場の大きさからしても今後もどんどん伸びていくことが考えられます。
業績について以下にまとめました。わかりやすくするため決算予想数値として発表されている最終年度の数字を100%として、年度ごとの割合を表示しています。
売上・利益とも右肩上がりです。売り上げは年率20%以上の成長。一株利益については、19年度で飛躍的に伸ばしており、20年度も確実に成長すると見込んでいます。
その根拠ですが、先日3Qの決算発表がありましたが事前に上方修正の発表もあり19年度の数字が伸びています。20年度の修正数字が発表されていませんが、総医研ホールディングスにおいては、伸び盛りの化粧品セグメントが昨年から売上げが2倍に伸びています。また、生体評価システムの利益が8倍。ヘルスケアサポート、機能性素材開発の利益が3倍になるなど、業績向上の好循環の流れができています。研究開発型の企業は生まれた利益で新たな研究開発への投資を行うことができるため、一度流れに乗ると勢いに乗って業績を伸ばすことができます。
ファンダメンタル要素についてはROEが11%とまだまだ低いものの、今後の成長を考えると確実に伸びてくると考えています。時価総額も150億円程度ですので、まだまだ成長途上と考えられます。
チャート分析【2018/6/11-2019/6/14】
チャートですが、流れにそって解説します。
- 2018年3月をピークに株価は調整局面に入りました。
- その後決算の上方修正をきっかけに株価は上昇に転じています。一時的に出来高が上がっているところがそのポイントです。
- そこから最初の取っ手を形成してピボットポイントをブレイクしましたが、最高値の株価からみてピボットポイントの株価が低かったため、ここでの投資は見送りました。
- その後出来高を下げて再度調整期間に入りました。ここでは前回のピボットポイント付近で底値を付けて、先週再度ブレイクをしています。ブレイクポイントから大きく上げてブレイクしたため、インするポイントについては慎重に検討したいと考えています。
レラティブストレングスの検討
株価が市場に対してどれだけ強い動きを見せているかをレラティブストレングスと定義しています。ここでは1年前(上場して1年未満の場合は上場時)の株価を0としてそこからの変化率を算出してグラフにしています。同様に算出した上場されている市場の指標と比較する事で選択した銘柄が市場のパフォーマンスより強い動きを見せているかどうかを確認します。
当初は市場の動きとシンクロする形で株価は下落。また市場が上昇するのに合わせて株価も回復してきました。直近においては、市場は停滞する中、株価は上昇のスピードを上げてきています。市場に対して非常に強い動きを見せてきています。
信用買残と株価の関係について
総医研ホールディングスについては売り残よりも買い残のほうが圧倒的に多かったため、信用買残の残高のみを抽出してみました。ピーク時に300万株を越えていた買い残も直近では約半分まで減ってきています。その過程で当初は売り圧力が高かった状況も改善し、直近では買い残が減って売り圧力が続いているにも関わらず株価は上昇の気配を見せています。買いの勢いが相当増してきていると考えています。
今回は以上の考え方で総医研ホールディングスへの投資を実施したいと思います。ブレイク時にピボットポイントよりも高い位置まで株価が上昇したため、当初は打診買いからスタートし、その後ピボットポイント付近までの調整が発生した場合は増し玉の対象としたいと考えています。今までにない投資手法ですが、より確実に利益を確保するために試してみたいと思います。
また、予想に反して下落した場合は8%で損切りする予定です。
CAN-SLIM投資とは?
CAN-SLIM投資の各要素の考え方については以下の記事を参考にして頂ければと思います。
1.「CAN-SLIM」のC(Current Quarterly Earnings) -直近四半期利益-
2.「CAN-SLIM」のA(Annual Earnings Increases) -年間利益の増加-
3.「CAN-SLIM」のN(New Products,New Management,New Highs) -新製品、新経営者、新高値-
4.「CAN-SLIM」のS(Supply and Demand) -株式の需要と供給-
5.「CAN-SLIM」のL(Leader or Laggard) -主導株か停滞株か-