マーケットについて何か学びたければ、主要な株価指数を注意深く観察してそこから学ばなければならない。そうすることで、市場平均が天井や底などの重要な転換期にさしかかっていることを見極めることができるようになり、その正しい知識と大きな自信を十分に活かせるようになるのだ。 ここには重要な教訓がある。物事の真相を究明しようとするならば、その対象を自分の目で注意深く観察して分析する必要があるということだ。トラについて学びたければ、トラを取り巻く気候や植生、あるいは丘の上のほかの動物を見るのではなく、トラそのものを自分の目で見るのだ。 |
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魚に関する論文
大学の教授が学生たちに魚に関する論文を書くように言った。学生達は図書館に行って魚に関する本を読み、そしてそれぞれの考えを論文にまとめた。だがそれを提出すると教授は全てやぶってゴミ箱へ捨ててしまったので、学生たちは愕然とした。
自分達の論文のどこがいけなかったのか学生達が問うと、教授はこう言った。「魚のことについて学ぼうと思ったら、水槽の前に座って魚を観察するのです。」そういって学生達を水槽の前に座らせ魚を何時間も観察させた。そして学生達は、自分の目で見た魚の観察結果のみに基づいて課題を書き直した。
事実のみに基づいて学ぶ
冒頭のオニールの金言はこの魚の論文の話の後に語られている言葉です。
市場の動きについてはニュースや専門家の見通しであったりで論じられたりしますが、誰かの意見を鵜呑みにするのは避けなくてはいけません。
なぜなら市場はその人の考えや一部の機関投資家で作られているわけではなく、様々な複合的な要因(数百万の投資家の行動、政治、経済、争乱、事件、天候、etc)で動くからです。よくニュースではその日の株価の動きが一つの要因で語られたりしますが、投資家全てがそれを念頭に投資判断している訳ではありませんよね。自分なりの思惑を持ちながら何百万という投資家が判断したことの積み重ねが市場の動きな訳です。
いくら市場の先行きを予想してもその通りになる事はほぼ占いの世界と一緒で当たるも八卦当たらぬも八卦。です。
唯一確かなことがあるとしたら、それは事実としての結果です。すなわち、その日の株価の推移と出来高という事になります。
オニールが言いたいのは、周りの意見に惑わされることなく事実のみを見て、その事実が何を意味しているのかをわかるようになるまで観察し続けなさい。ということだと思います。
本の中でオニールは市場が天井をつけた時や底をつけた時の特徴について自分が観察した上で発見したことについて述べていますが、なかなか理解しづらいというのが正直なところです。やはり自分自身が市場を常に見て、観察し続けないと同じ境地にはたどり着けないのだと思います。
最後に
魚の論文の話ですが、ハーバード大学での話だそうです。頭のいい人は参考文献を使ってこういった論文をまとめるのが上手ですよね。
しかし、生きた論文というのはやはり実際に観察した事から自分が気づいたこと、発見したことをベースに作られているものです。
市場に対する判断、各銘柄に対する判断も、他人の意見よりも自分で分析して判断する力をつけないと、勝ち続ける投資家にはなれないんだろうなと思います。